中国人が考えるネイサン・羽生のタラレバ
数日前ふら〜っと中国の知恵袋を見ていたら
こんなタイトルに惹かれてつい足を踏み入れました。
ベストアンサーの方は、中国で(多分)有名なスケオタ(はにゅオタ?)の程悦宁さん。
お役人の方…ではないと思いますがw
いろんな場所でこの方の文章が引用されてるのを見るので、多分有名な人
技術の分析とか知識量を見てると単なるスケオタとも思えず、経験者じゃないかな〜と。
すぐに翻訳しなかったのは、何せとんでもない長さの回答だったからw
イタリア解説陣の論評の次に長かったですw
そちらの記事はこちらより
冷静、かつ情熱的にバッサバッサと切りまくってくれています!w
ぜっっっっっっっったいどっかに誤訳があると思いますが…
まあ参考程度にご覧ください…w
https://www.zhihu.com/question/269955316
(回答=ベストアンサー)
ありがとう。この質問にはあまり答える気がしない。なぜなら今のネイサンの試合を見ていると、ジャンプを除いて目にとまる点がないからだ。ジャンプ、つなぎ、音楽の解釈、スケーティング全て揃った羽生と比べることができるだろうか?正直ネイサンはほとんど見たことがない選手だ。スケーティングや演技力がはるかに劣っている。彼は基礎点の面で羽生よりもアドバンテージがあるが、技術点に関して言えば、彼は6つの4回転で127点点なのに対し羽生は4つの4回転で126点だ。だから羽生結弦自身が言うように、フィギュアスケートはジャンプだけで決まる競技ではない。
ジャンプがどのように評価されているのか本当にわからなくなってくる。前後のつなぎもなければ、入る前のステップもない、降りてからの難しいムーブメントもないし、ジャンプに入る前に重大な減速がある。手と目の表現力だけは目立つが、すぐにターンして助走、ジャンプ。足元には何の技術もなく、基本的に両足ステップとカスタムメイドの手の動きだけ。羽生のジャンプは絶対にコネクションが組み込まれている。2014年時点での羽生の4Lo3Tは単純なものだったが、難しいコネクションから飛べるようになった16-17シーズンに初めて試合に実装された。17歳の時も、ロミオとジュリエットの複雑なステップに直面しても、決してそれを簡略化しようとは考えなかった。
ネイサンのファンの中には彼のプログラムにも繋ぎがあると主張するファンがいる。彼はスリーターンとモホークをつなぎに用いている。私が言えることは、スリーターンやモホークはISUが定める6つの難しいステップに記載されていない。したがって、難しくない。スリーターンからの4Tは通常のジャンプだ、誰でもやってる。
さらに、私はネイサンのコネクション→ジャンプの成功率についても述べたい。昨2シーズンのワールドだけ見ても、ネイサンはコネクションからジャンプを飛び失敗している。ミラノのフリーでは、4Tの前にイーグルからのスリーターンを挟んだが、不安定な着氷だった。そして記録上殆どの4回転ジャンプにコネクションがない。多くの人々はなぜネイサンがジャンプの質を高めるためにコネクションを磨かないのか疑問に思うだろうが、実は彼がステップから跳んだジャンプを成功させる確率は低く、転倒してしまう確率も高い。正直GOEが厳密に制定されてから数年は、男子シングルで4回転ジャンプを練習する選手はとても少なかった。羽生曰く、ガチンスキーが5種類の4回転を練習で飛ぶのを見たというが、ガチンスキーの未熟な4回転が試合に投入されることはなかった。
したがって、ネイサンはジャンプの能力に優れた若手であることは否定しないが、クオリティーに欠けている。ネイサンが羽生に対しジャンプの難易度でアドバンテージがあると言うことは不可能だ。
この2人の同年齢時のジャンプ能力を比べてみよう。
羽生の難しいコネクションからの4Sと4Tと、コネクションなしの4Lo。
そしてネイサンの習得した5つの4回転ジャンプ。
ただし私は彼がコネクションから跳んで綺麗に着氷しているところを見たことがない。
したがって私は19歳のネイサンが羽生に比べ秀でていると言う意見には同意できない。さらにここ数年間で外部の補助技術が改善され、スケート靴とエッジが何代かに渡って改良された。同じ年齢時点の話をしたいのであれば、ここを見逃してはいけない。この2人は四年と5ヶ月年齢が離れている。ネイサンは今年19歳、つまり、羽生が1つのシーズンでグランドスラムを達成した年齢だ。
この年齢(19歳と3ヶ月)で羽生が世界記録を塗り替えた事実を指摘するまでもなく、この時点で比較できるものではない。
私が主観的であるのは否定できないが、ここで客観的な統計データを示そう。誰かが平昌オリンピックFSでのスケーターの静止時間を計算してくれた。ステップやコネクションなしでのジャンプの助走、止まってポーズを取る時間だ。羽生のSEIMEIは40秒、宇野は1分35秒、ネイサンは2分9秒、ボーヤンは1分52秒だ。この統計では、6つの4回転を持つネイサンは、4分半のフリープログラムのうち、2分9秒をジャンプの助走に割いていると考えられる。つまり、ジャンプの時間以外は助走をしていると言うことだ。そして平昌でのネイサンのジャンプ前のコネクションは全てカットされ、ミラノでは更に少しカットされていた。
よりわかりやすくするために、いくつかジャンプのGIFアニメーションを提示する。シンプルなジャンプと難しいコネクションからのジャンプをお見せしよう。この違いは何なのか?ステップの後、羽生は時計回りでインサイドとアウトサイドエッジで滑り、足を変えて反時計回りの軌道に変え、スリーターン、イーグル、スリーターン、モホーク(完全に逆転)、4S離氷、着氷後にすぐさまイーグル。中断されることが一切ない。このステップを見れば数秒でアイスリンクを通過するスピードがわかってもらえると思う。
羽生の難しいコネクションに挟まれた3Aジャンプ、この3A-1Lo-3Sは、羽生自身がカウンターからの3Aよりも難しいと認めている。このようなジャンプを跳ぶことができるのは羽生だけだ。
アウトサイドエッジのイーグルからの3A
連続スリーターンからの4T
イーグルからのジャンプからのイーグル
続いて、ネイサンの世界選手権フリーから。
長い二足ステップの助走からのジャンプ(ごめん、私はネイサンのファンじゃないのでGIF動画を持ってない。1つの試合からのカットで許して)
ジャンプ前後のステップは本来はジャンプの一部であり、ジャンプの質の評価のための1つの要素だ。どうしてただジャンプするだけの能力でそれを測定することができるだろうか。言うまでもなく、ネイサンはまだジャンプの構成を試合ごとに変えている。数量だけを議論することに全く意味はない。
2人のスケーティング比較画像がある。
更に、私はこの2人を比べたくない。採点は試合において全く異なっている。ネイサンのミラノでのフリー演技構成点は91.8点だった。羽生の16年GPFでは92.5点だった。羽生は12倍もの労力を割いている。羽生のプログラムのほとんどは難しいステップで満たされているのに対し、ネイサンは2分もの時間を二足ステップに割いてほぼ同じ得点だ。
更にがっかりさせられたのは、ネイサンは演技構成点だけでなく技術点も正しく評価されていないことである。このネイサンのミラノワールドのジャンプがGOEボーナスのどの要件を満たしていると言うのだろうか?
高貴な国籍を持つ選手は彼らのアドバンテージを利用できる。比べるのはやめよう。私はネイサンのアドバイスを尊重して、アイスダンスや羽生のH&LやSEIMEIだけを見ることにする。
(ビリビリ動画リンク)
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これら2つの動画を見れば一目でわかる、各選手の2つの試合でのジャンプとGOEの比較動画だ。羽生のGOEと演技構成点が抑えられているのはもはや秘密ではない。これはイタリア人コメンテーターが一般公開した大スキャンダルだ。
現在のオリンピックチャンピオンは高貴な国籍や国内のスケート連盟の支援なしに、この偉業を達成した。
平昌でのジャンプのGOEの差は、難度を下げた羽生が残した結果である。
最高記録(左列)を見て欲しい、17点近くの差がある。
SP+FP演技構成点の合計点
正直、この回答では2人の現在の実力差を比べるか、羽生の同年齢時の完成度を示すことしかできない。未来を考えることは無意味だ。もっと重要なことは、この2人には全く異なった目標があると言うことだ。羽生のフィギュアスケートにおける偉業は既に神の領域に達し、それは決して欠けることがない。4Aを跳ぶことはアクセルへの感謝を達成するためのものであり、ネイサンの挑戦とは全く関係ない、仮に彼自身が続ける理由を探す必要があったとしても。彼は競技への愛のために氷上に立ち続けることもできるし、ネイサンはこれから成長する若手選手だ。誰も彼のこれからの偉業を予測することはできない。ソチの時のように。私は全く未来を予想できなかった。
いくつかの回答を見ると哀れになる。北京オリンピックに向けて悲観的になっている。羽生にもう1つオリンピックの金メダルを?神となった後も若い世代と戦い続ける必要があるだろうか?この自称ファン達の要求レベルの何と高いことよ。
フィギュアスケートは本来とても高強度のスポーツであり、ピーク時期がとても短い。身体の磨耗率は非常に高く、トップ20に入る男性シングルは皆オリンピックのメダルを目標とする。実は、羽生はソチの金メダルを獲得した時にやめていても不思議ではなかった。
スケーティングの比較といえば、羽生がまだシニアに出たての時、二十代のパトリックと比較し、羽生はスケーティングが上手ではない、とのたまう人がいた。
平昌では、怪我で3ヶ月氷上に乗れない期間があり2~3割の難易度を回復した羽生と元気なネイサンを比較して基礎点が低いだの、ジャンプの難易度が低いだの。今やチャンピオンとなり、神の領域に到達した男に対して、北京を楽観視するなとは如何なものか。神よ、彼らは羽生に本当の神になってほしいと思っているのか?
忘れるな、彼も我々と同じ人間だ。彼は既に世界記録を破ってオリンピック王者になった。
(追記)
うーん、なぜ多くの回答主がオリンピックが2013年だったら歴史が変わっていたとする仮説に執着するのかがわからない。我々はただ歴史を振り返っているだけで、もしオリンピックがあと一年早かったらどうなっていたかを予測することはできない。世界の情勢に合わせてトレーニング方法も変えただろう。
さらにネイサンと羽生のピーク時期が逆だったら、という仮説もナンセンスだ。スポーツにおいては最もタブーとされるところだ。誰もが自分自身の道を歩んでいる。ネイサンにはネイサンの人生があり、羽生も同様だ。
もし羽生のことをラッキーだというなら、ネイサンが大地震と津波を経験し、生まれながらに喘息を抱えていたことを想定するといい。このような運命が幸運だろうか?
実際、男子シングルにとって18、19歳というのは最も4回転ジャンプを開発するのにふさわしい年齢だ。それ以降はその技術を安定させる時期に入る。羽生が18、19の時は4回転さえ飛べば周りの選手よりも一歩抜きん出ることができた時代だ。今のネイサンやヴィンセントの状況とは異なっている。狂ったように色々な種類の4回転ジャンプを飛ぶ必要がなかった。しかし私が最も敬服するのは彼がすでに23歳だという点だ。フィギュアスケート男子選手としては高齢に入る。チャンや海賊(フェルナンデス)を見ればわかるが、この2人のスケーターは早い段階で、ジャンプの成長を低レベルのまま止めてしまった。しかし、羽生は決して諦めず、周りの情勢に食らいつき、全てのシーズンで4回転の難度を上げてきた。2016年には4Loを、2017年には4Lzを。そして羽生は未だに4Loや4S-3T、4T-3Tで最高得点を獲得している。彼が試合に投入した全ての新しいジャンプが成熟度を維持しており、高いGOEボーナスを得ている。彼の歳で、ソチで金メダルを取った後でも、彼はその目標と能力を失っていなかった。これは本当に凄まじいことだし、ものすごい才能だ。彼は技術難度を推し上げる選手だ。
この回答、280のいいねと65のコメントがついてたんですが、流石に力つきましたw
この追記を見る限り、きっとコメントで色々やりとりがあったんだろうな〜とは思いますがw
もうムリぽ\(^o^)/
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ふ〜、長かった。。まんぷくさん、翻訳お疲れ様でした。
どこの国にも「タラレバ」設定で一席ぶちたい人達がいるみたいですね。
どんなタラレバにしたって、誕生年同じ設定しちゃったら創作妄想ですよね。
羽生選手は素晴らしい才能を持っていることは同意しますが、
その上にすさまじい努力の人であることを改めて感じました。
明日も仕事頑張ろう!
本当タラレバの代表みたいな
質問ですよね―。
何で素直に羽生選手が真の
チャンピオンって認めないんだろ?
ジャンプ一辺倒の若手より
最近期間限定復帰された
色気押し売り演技の某選手よりも
トータルパッケージが信念の
羽生選手とじゃ比べ様も無いのにw
今まで全てにおいて高みを
目指してそれを成し遂げた選手は
何十年スケート観てきたけど
羽生選手しかいない。
一流選手としての振る舞いも
礼儀もね。
やっぱり、スケート技術だけよりも
基礎点高難度ジャンプだけよりも
お色気演技押し売り選手よりも
トータルパッケージが如何に
凄い事なのかハッキリ言ってくれて
本当にスッキリしました!
マスメディアやアホなアンチどもに
見せてやりたいぐらいですw
あ―――、スッキリした!
まんぷくさん翻訳お疲れ様です!
各国スケオタの考察は面白いですねえ。
中国人の反応は同じアジア人だからか日本人と感覚が似てる部分が多いように思います。
タラレバは無意味ですが、ifで年齢の違う者同士を比べて見たくなる気持ちもわかるw
私もこの中国の方と同じく、18,9の羽生くんとネイサンを比べてもスケーティング・つなぎの多さやジャンプの入りと出の難易度で羽生くんに軍配が上がると思いますが、ネイサンはそのへんかなり甘く見てもらえる方ですし(アメスケ連が全力で推すでしょう!)純粋に4回転ジャンプの多さはネイサンですしね。どうなったことやら。
ただ確実に言えるのは、同世代にネイサンがいたら羽生くん燃えまくりで全力で勝つ算段を立てたでしょうね。
13年GPS2戦でPちゃんを倒す算段を練り、GPFで勝ったように
ネイサンに勝つ構成をせっせと練りまくるだろうと思われますw
というか、18,9の頃の羽生くんもっともガルガルガツガツしてた頃じゃないですか。
プレッシャーに弱いネイサン、技術以前にメンタルで負けてたんじゃ。(ネイサン好きな方いたらすみません)
まおちゃんもエッジ裁きのおかげで演技構成点は高かったけど、(各大会でのプロトコルを見て言っています。)2分以上と助走は長かったんですね。今のオーサー批判から羽生選手も批判してる人達はヨナのジャンプ前の繋ぎを何にもない!と言ってオーサー陰謀論を展開していましたが本当に何も知らない人達でしたね。
流石に今の時代のロシアっ子と比べると助走していますが笑
オーサー本人はスピードスケートのように両足滑走が続く演技を見ると気が狂いそうになると本で仰っていました(笑)
オーサー陰謀論からなる羽生選手への誹謗中傷を中国の方は知っているのでしょうか?知っていたらどう思ってるのでしょうか?
読み応えの有る素晴らしい記事、有難うございました。
イタリアや中国そしてロシアファン等、フィギュアの知識に裏付けされた記事が羨ましいです。
こんな知識に裏打ちされた記事が日本でも普通に読めたら、違う選手ファンの中傷等減るのでしょうね。
なぜ日本には居ないのでしょうか、羽生選手が注目されプログラムの構成やジャンプ
だけ報道する、解説者も「凄い」「飛びました」ばっかり。
スポンサーやファンに嫌われそうで、足りない点や間違った踏切かもなんて言えないのでしょうか。
羽生選手の点数が抑えられている事を中国の方も知っているのですね。
確か中国のジャッジで他を抑えつつ、ボーヤン選手に+3を押し続けていた方が居ましたよね、笑ってしまいました。
アメリカジャッジでは何処までも完璧なジャンプでも、羽生選手には+3は付けません。
海外ではスケートクラブの関係者がジャッジをしていたりするから、自分のクラブの選手に甘々加点をしてしまうのでしょう。
そんなジャッジを捻じ伏せて勝。凄いですね。
オーサー陰謀論知りませんでした。
あの頃私は、浅田選手がクリケットでチーム浅田だったらと思いましたよ。
ヨナ選手が苦手な部分を省き、一番効果的な見せ方をした戦略の勝利だったと思っています。
あの頃オーサーはジャッジと話す機会が有る度、正しいジャンプ、間違ったジャンプを
ヨナ選手と浅田選手を例を挙げて説明していたと、何処かの記事で見た事が有ります。
でもこれは陰謀とは違います、トップ争いをしている選手のコーチですから。
勝つ為の選手の育て方や戦略、選手との方向性の違い等コーチ陣の負けです。
オーサーコーチが怪我をした羽生選手に「記録か金メダルか」訪ねた話。
流石だと思いました。